『Lenovo Legion Go S』が登場。Steam Deckと同じOS搭載の強力なライバル機

2025年5月25日、Lenovoは新たな携帯型ゲーミングPC『Legion Go S』を発売した。OSにLinuxベースの「SteamOS」を搭載しているのが大きな特徴で、これまでOSにおいては唯一無二だったValveの「Steam Deck」の対抗馬になりうるコンソールとなっている。
まず注目したいのが、そのディスプレイと操作性だ。8インチのWUXGAディスプレイは高精細で発色も良く、最大120Hzのリフレッシュレートに対応。FPSやアクションゲームでも滑らかな映像を楽しめる。また、本体は約730gと比較的軽量で、グリップ感のある形状により長時間のプレイでも疲れにくい設計となっている。
次に「SteamOS」搭載のメリットについて触れたい。実は『Legion Go S』はWindows版が先行して発売している。すでに本機が発売されている米国などのニュースメディアによるレビュー記事によると、Windows版と比べて「SteamOS」版はゲームの起動やスリープ復帰が非常にスムーズであるほか、OSの特性から余計なバックグラウンド動作が少なく、バッテリーの持ちも大幅に向上しているとのこと。実際に、軽量な2Dゲームでは6時間以上の連続プレイが可能で、Windows版の2倍以上のバッテリー寿命を誇るケースもあるそうだ。
また、ゲーム性能も決して侮れない。Cyberpunk 2077やThe Witcher 3など、重めのタイトルでもSteamOS版はフレームレートが安定しており、Windows版よりも平均10〜20%高いFPSを記録することも多い。『Legion Go S』には最新のRyzen Z2 Goチップが搭載されており高いゲーム性能を実現している。
とはいえ、「Steam Deck」ユーザーならすでに知っている通り「SteamOS」ならではの弱点もある。まずApex LegendsやFortniteといった人気のオンライン対戦ゲームが非対応であること。また、Steam以外のゲームランチャー(Epic Games LauncherやBattle.netなど)は標準では動作しないため、遊べるタイトルに制限が出る可能性がある。もちろん、これらを回避する方法もあるものの、実行するにはそれなりのPCに関する知識が必要なため面倒だと感じる人も多いだろう。
なお価格は499.99ドル(約7万円)からと「Steam Deck」とほぼ同等となっており、「SteamOS」搭載の携帯ゲーム機を探しているゲーマーにとって十分に検討対象になる価格設定だ。例えば「Steam Deck」よりも大きな画面かつ高いリフレッシュレートでプレイしたいというユーザーであれば『Legion Go S』は非常に魅力的な端末と言える。以下に『Legion Go S』と「Steam Deck」の主な特徴をまとめたので、購入予定の方は比較検討の判断材料として使用してほしい。
項目 | Lenovo Legion Go S(SteamOS) | Steam Deck(OLEDモデル) |
---|---|---|
OS | SteamOS 3(Valve公式対応) | SteamOS 3(Valve製) |
CPU | AMD Ryzen Z2 Go | AMD APU(Zen 2 + RDNA 2) |
GPU性能 | RDNA 3世代(Z2内蔵) | RDNA 2世代 |
メモリ | 最大 32GB LPDDR5X | 16GB LPDDR5 |
ストレージ | 最大1TB SSD + microSD | 512GB/1TB NVMe SSD + microSD |
ディスプレイ | 8.0インチ WUXGA(1920×1200) 120Hz | 7.4インチ OLED(1280×800) 60Hz |
リフレッシュレート | 最大120Hz | 最大60Hz |
バッテリー | 55Wh(最大6時間以上) | 50Wh(約3〜6時間) |
重量 | 約730〜740g | 約640g(OLEDモデル) |
拡張性 | USB-C、microSD | USB-C、microSD |
スリープ復帰 | 非常に高速・安定 | 高速・安定 |
操作性 | 取り外し不可の一体型コントローラー | トラックパッド搭載・コントローラー一体型 |
価格(北米) | $499.99〜 | $549.00〜(512GB OLEDモデル) |