【VALORANT】レイテンシ、正確性、高PINGの3項目から調査中。ゲームプレイの一貫性に関する報告が公式より公開【ヴァロラント】

RiotGamesは4/16、『VALORANT(ヴァロラント)』公式サイトにて「VALORANTのゲームプレイの一貫性に関するアップデート」を公開しました。エントリー内では、プレイヤーから特に報告が多かった4つの項目について調査の概要を説明しているほか、レイテンシ・正確性・高いPINGの側面からプレイヤーが感じている「一貫性の無さ」の可能性を明かしています。

そのほか、記事後半にて「高PING状況におけるピーク側のアドバンテージ」についても触れており、基幹システムの調査が完了したことや、正確性を計測するための専用ツールを今後アップデート予定であることなど、次のステップについても触れています。


※以下、公式サイトより引用

VALORANTのゲームプレイの一貫性に関するアップデート

皆さん、こんにちは。コミュニティーの一部から報告された、試合ごとの一貫性の欠如に関する調査について、VALORANTゲームプレイチームよりお届けします。要約:本件はまだ作業中であり、チームにとって最優先事項のひとつであり続けています。今回の記事では、この問題への私たちのアプローチと、現段階までの調査で判明したことについてお話しします。

皆さんからいただいた報告

戦闘に一貫性がないとの報告に関しては、主に以下のような内容が皆さんから寄せられています。

  1. 「自分のネットワーク状態が安定していても、試合ごとに遅延の度合いが違うと感じる」
  2. 「他のプレイヤーが自分に対処できる速度が、試合ごとに速かったり遅かったりする」
  3. 「自分のVALORANTのプレイに、非常に一貫性がないように感じる。試合によっては自分がヘッドショットをどんどん決めているときもあれば、同じことが自分の身に起こることもある」
  4. 「高Pingのプレイヤーは、低Pingのプレイヤーに比べて、ピークするときに不当な優位性があると感じる」

調査概要

試合ごとの戦闘感覚にはさまざまな要因が影響しますが、ざっくりと「プレイヤー個人のパフォーマンス」と「競技の公正さ(公平性)」の2つに分類できます。

プレイヤー個人のパフォーマンスにおいては、フロー状態の存在を認知する必要があります。超集中状態である「ゾーン」状態のプレイヤーは、ゲーム感覚や注意力が高まり、反応速度が短縮され、フリックが高い精度で当たるような、より高いレベルの集中力を獲得します。高いスキルを持つプレイヤーは、トレーニングや練習によってパフォーマンスの一貫性を高める努力しますが、大半のプレイヤーのパフォーマンスは、一試合を通して、また試合ごとに一貫性がありません。

さらに複雑なのは、相手のスキルレベルやフロー状態が、自分が感じている自分のパフォーマンスに直接影響することです。例えば、敵のジェットがフロー状態にある場合、その反応速度の短さと命中精度の高さは、ネットワークの優位性により狙いをつける時間がより多い状態にある場合と区別がつかないかもしれません。

そこで、課題は以下のようになります。

  • プレイヤー個人のパフォーマンスを除外して、試合における公平性をどのように数値化して測定できるのか
  • 戦闘が試合ごとに異なるという感覚を与えるような、根本的な問題が基幹システムにあるのか
  • 試合におけるパフォーマンスと公平性の問題を区別するために、私たちからどのようなツールやデータを提供できるのか

現在、私たちは試合ごとの一貫性の欠如につながる可能性のある問題を検出するためシステムを監査して、改善をいくつか行い、さらに、皆さんが今後試合で目にする問題を診断(そして報告)するのに役立ついくつかのグラフを追加しています。

調査は「レイテンシ」、「正確性」、「高Pingのピーカー」の3つの柱で構成されています。

レイテンシ

これは私たちが重点的に取り組む部分です。私たちが受け取る報告の大半は、既存の測定では捉えられないエンドツーエンドのレイテンシの変動によって説明することができます。

サーバーまでのネットワーク往復時間、入力レイテンシ、レンダリングレイテンシ、クライアント/サーバーのティックレートなど、総計レイテンシに関する情報のほとんどは既にグラフ化されています。しかし、これらの測定値すべてが安定しているように見えても、一貫性がないと感じられるという報告があります。

では、残りの可能性は何でしょうか?ネットワークバッファリングとネットワークジッタです。

基本をおさらいしましょう。サーバーは皆さんのクライアントから常に入力データを受信し、それを検証して、権威サーバーのワールドシミュレーションに再生します。これには、128x/秒でのスムーズな入力処理が必要ですが、ネットワーク状況やクライアントのフレームレートが変動するため、プレイヤーからの入力にむらがあり、予測できない勢いで受信されることがあることになります。

ネットワークバッファリングは、プレイヤーの入力データを処理する前にわずかな遅延を導入し、パケットが到着する際の一貫性の欠如を隠すことでゲームプレイをスムーズにしようとします。

ネットワークジッタとは、送信したパケットが宛先に到達するまでの時間のばらつきのことです。ジッタが低いと、サーバーはパケットを確実な間隔で受信しています。この場合、次のパケットがいつ到着するかを予測できるため、バッファ時間を非常に低く抑えることができます。ジッタが高い場合、1つのパケットと次のパケットの間に予測できないギャップが頻繁に発生するため、サーバーは入力を平均してより多く遅延させる必要があります。皆さんのクライアントが、敵の動きのデータやサーバーからのワールドアップデートを受信する方法に関しても同様です。

現在、私たちが見直している点は以下の通りです。

  • ネットワークバッファリングは、(ネットワークの状態に対して)試合ごとに一貫して動作しているか
  • VALORANTのバッファリングは長期間のジッタをどれほどうまく処理しているか。また、それはスムーズな動きを提供しつつ、遅延処理を効果的に最小限に押さえているか
  • バッファリングは、短期的な障害(パケットロスの突発、Alt+Tabによるフレームレートのスロットルなど)からどの程度速く回復するのか

今のところ、非理想的な条件下でのレイテンシの一貫性を高めるために、以下のような小さな改善が可能であると特定しました。

  • 現状では、ネットワークやパフォーマンスの不調によりネットワークバッファリングのサイズが跳ね上がると、システムの復旧に思ったよりも時間がかかっています。この短い復旧時間中、皆さんが通常よりも高いエンドツーエンドのレイテンシを感じることになります。これは、バックグラウンドのフレームレートスロットルを低い値に設定した状態で、Alt+Tabを行う場合に最も顕著に現れます。これに対処する改善は、実装予定となっています。
  • また、VALORANTは最終的なバッファリングを最小限に抑えることで、入力レイテンシや他のプレイヤーの表示を限りなくリアルタイムに近づけています。しかし、ジッタの高いネットワークにおいては、低レイテンシを優先してからネットワークのジッタを考慮するため、数秒ごとにレイテンシを調整する周期的なパターンが発生する可能性があることに気づきました。このような状況をよりよく考慮するため、バッファリングの動作の修正に取り組んでいます。

この分野の調査は現在進行中であり、今年の後半に再び調査結果を報告する予定です。

正確性

調査のこの部分は、戦闘において一貫したプレイヤーのパフォーマンスに、一貫した結果が与えられているかの健全性チェックになります。ここでの目標は、試合ごとに個々のプレイヤーパフォーマンスに生じる非一貫性の原因となりうるゲームプレイシステムを見直すことです。

次の疑問に答えるような診断と内部ツールを構築しました。

  • ネットワークの状況は、正確な射撃を行うためのプレイ方法に影響を与えるのか
    • もしそうだとしたら、プレイヤーは試合ごとにプレイを微妙に調整しなければいけないことになります(カウンターでの平行移動タイミングや武器のリカバリー時間等)。
  • クライアントとサーバーは、射撃の処理に関して一致しない場合があるか
    • もしそうだとしたら、プレイヤーがクライアント側では上手にプレイしているのに対し、サーバー側がその結果を反映していないということになります。
    • クライアントとサーバーは、移動精度や射撃時のリコイル状態に関して一致しないことがあるか。
    • クライアントとサーバーは、弾が進むベクトルに関して一致しないことがあるか。
    • クライアントとサーバーは、射撃が処理された際の標的のアニメーションポーズに関して一致しないことがあるか。

今までの調査によると、正確性の面ではすべて良好で、戦闘システムは基準を満たしています。私たちは将来的に問題が起こった場合を考えて、これらのシステムを継続して監視していきます。

高PINGのピーカー

最後に、高Pingのピーカーに対して隠れようとするのは無駄に感じられる、というご意見を一部のユーザーからいただいています。皆さんのVALORANTのゲーム体験が他のプレイヤーのレイテンシによって影響されることは避けたいので、このご意見はかなり深刻に受け止めています。ピーカーズ アドバンテージに関する私たちの考えについては、以前の記事(英語)をご覧ください。

今のところは、先ほどお話しした2つの分野に主に注力して調査を行っています。根本的な問題が原因となっている場合を考えて、基幹システムが正常に動作していることを確認した上で、他の可能性に目を向けたいと考えています。基幹システムの監査が終了したら、高Pingプレイヤーに対して、プレイヤーがなぜこのように感じているのかの調査を行う予定です。

ピーカーズ アドバンテージを正確に測定するために、専用に設計した内部ツールをアップグレードします。そのツールを使用して、さまざまなネットワークシナリオをテストし、攻撃プレイヤーの高Pingがこれらの値に顕著な影響を与えるかどうかを正確に測定する予定です。このツールで内部データを収集するだけでなく、対戦中の試合のデータを検証し、高Pingが皆さんのパフォーマンスや試合の結果にどのような影響を与えるかのトレンドを評価しています。

次のステップ

PBEのリリースが近づいた時点で、変更の可能性を含めて、再び調査結果の詳細を発表する予定です。北アメリカにお住まいで、試合中に一貫性の欠如を感じられた場合は、PBEに登録して、早期に修正をお試しいただき、違いを感じられるかをお知らせください。

今回の調査以外にも、これらのシステムの改善、監視、内部テスト機能を継続するための作業を計画しています。さらに、皆さんが試合中や試合後の自分のパフォーマンスを理解し、向上させるためのツールの追加も検討しています。

——VALORANTゲームプレイチーム

 

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この記事を書いた人

キャリア系メディアでライターとして勤務後、2017年よりフリーランス。学生向け新卒メディアの取材を経験したのち、現在は趣味のゲームを題材にブログを管理・運営しています。

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