【オーバーウォッチ2】Battle.net内の電話番号登録が必須に。ディフェンス・マトリクスの詳細について公式がアナウンス【OVERWATCH2】

Blizzard Entertainmentは9/27、まもなく正式サービス開始予定の新作FPS「オーバーウォッチ2」について、新たにSMSプロテクトを導入することを明らかにしました。本施策は前作と異なり「オーバーウォッチ2」が基本プレイ無料モデルに移行したことによるもので、不正行為に対して断固たる処置を取る必要があると考えたことから、Battle.net内で電話番号登録が設定されているアカウントのみ本作を起動可能な仕様になっていると話しています。

そのほか「オーバーウォッチ2」では不正行為の防止に関して、「ディフェンス・マトリクス」と呼ばれる複数の取り組みが行われるとのこと。上で紹介したSMSプロテクト以外にも、VCやテキストチャットに関して、音声の収集や文字起こし機能を導入し従来より検知精度が上昇していることや、社内外の企業と協力して不正や迷惑行為に対する取り組みを行っていくと明らかにしています。

※以下、公式サイトより引用

ディフェンス・マトリックス起動!「オーバーウォッチ 2」における健全なゲーム環境の整備と、ポジティブな体験の促進

「オーバーウォッチ 2」が基本プレイ無料モデルに移行したのは、「ゲームは友人と一緒にプレイして楽しむものであるべき」という我々の信念に基づくものです。10月5日、私たちはかつてない数のプレイヤーをこの世界に迎えることになります。これはエキサイティングなことですが、同時に基本プレイ無料となったことで、不正行為に対してこれまで以上に断固たる処置を取る必要が高まっていると感じています。私たちは、「ディフェンス・マトリックス」と名付けた新しい取り組みで、こうした課題に真正面から対処していきます。

「ディフェンス・マトリックス」とは、ゲームの健全性を守り、ポジティブな振る舞いを促進するために「オーバーウォッチ 2」で始まる取り組みの総称です。この計画は、Blizzard社内の部門横断的な複数のチームによって構成されるグループが主導しています。私たちは、「オーバーウォッチ 2」プレイヤーに素晴らしい体験を保証するために以下の3つのゴールを定めています。

  • すべてのプレイヤーがポジティブな経験をできるような枠組みを策定し、開発し、拡大する。
  • チートや荒らし行為を迅速に特定し排除することで、すべての競技レベルで健全性を確保する。
  • 不正行為に対して毅然とした態度で臨み、ポジティブかつ建設的なプレイヤーの声がコミュニティの中心となるよう、ゲーム内外でより安全なコミュニティを形成する。

これらの基本理念のもと、「ディフェンス・マトリックス」チームは、すべてのプレイヤーが公平かつ安全な環境でゲームをプレイできるよう、「オーバーウォッチ」のセキュリティとゲーム体験を強化するために一丸となって取り組んでいます。

SMSプロテクト 

私たちはアカウントのセキュリティを重視しています。SMSプロテクトは、不測の事態でアカウントに不正なアクセスがあった場合、アカウントの所有権を確認するのに役立ちます。また、不正行為を行いアカウントがBAN/一時利用不可となった場合には、SMSプロテクトの存在によって、ゲームへの復帰が難しくなります。

SMSプロテクトによって、不正行為への罰則がより有効なものとなるでしょう。2重のセキュリティを追加するというこの手法は、チートや荒らし行為に対して効果があるとゲーム業界で広く認められており、アカウントの保護にも役立ちます。

2022年10月5日より、コンソールを含むすべてのプラットフォームの全プレイヤーは、「オーバーウォッチ 2」を起動するためにBattle.netアカウントに電話番号を連携させることが義務付けられます。同じ電話番号を複数のアカウントに同時に連携することはできず、1つの電話番号で複数のアカウントを作成することもできません。電話番号は新規アカウント作成時に1度だけ連携でき、プリペイドやVoIPなど特定の種類の電話番号はSMSプロテクトに使用することはできません。

初代「オーバーウォッチ」のパッケージ版をお持ちの方でも、「オーバーウォッチ 2」をプレイするにはSMSプロテクトを設定する必要があります。

システムデザイン

「オーバーウォッチ」はソーシャルなゲームであり、プレイヤー同士が交流し、コミュニケーションを取り、協力し合うゲーム内空間が数多く存在します。これらのスペースは、ライバル・プレイ、ワークショップ、クイック・プレイのいずれにおいても、ゲームプレイと交流を通じてプレイヤー体験を向上させるものです。「オーバーウォッチ」の責任者として、私たちは常にゲーム内のシステムを注視しています。その中で、今後「オーバーウォッチ 2」リリースを迎えサービスを継続していくうえで、期待に応えられておらず改善が必要な部分がいくつかあると判断しました。

機械学習と音声の文字起こし 

開発チームはこれまで機械学習を利用して荒らし行為、チート、不快なテキストチャットを検知し、防止してきました。従来は、ゲーム内の通報など複数のシステムを総合的に使用して、ゲーム体験を損ねる振る舞いを検知していました。リリース後はさらに「音声の文字起こし」を実装し、検知の精度をより一層高めます。

音声の文字起こしは、通報されたプレイヤーのボイスチャットを一時的に収集し、音声合成プログラムを通じて自動的に文字起こしすることができます。その後、チャットレビューツールによってテキストを分析し、不快な発言があったか確認します。録音された音声ファイルは、テキストに書き起こされた後すぐに削除されます。このファイルは潜在的な迷惑行為を特定することにのみ使用されます。テキストファイルは、音声の書き起こし後、30日以内に削除されます。

ボイスチャットの音声データは長期的に保存されるわけではないため、迷惑行為に遭遇したら直ちに通報していただくようお願いします。ゲーム内で迷惑行為を見つけたら、それが発生している最中に通報することが、不正を検知・防止する上でもっとも有効です。あなたの通報がゲーム体験を左右します。プレイヤーからの通報は迷惑行為を迅速に特定・対処する上で非常に有効な手法です。

ファーストタイム・ユーザーエクスペリエンス

FTUE(ファーストタイム・ユーザーエクスペリエンス)とは、「オーバーウォッチ 2」リリース後にアカウントを作成した新規プレイヤーのために特別に用意された導入ステップです。

よく聞かれるフィードバックとして「本作はゲーム・モードやヒーローが多すぎて、何から手を付けていいかわからない」という声がありました。そこで、「オーバーウォッチ 2」では新規プレイヤーがゆっくりとゲームに慣れていける仕組みを導入します。初めは使用できるゲーム・モードやヒーローの数などが制限され、徐々にゲームを学ぶことができます。FTUEの第1フェーズは短く、すべてのゲーム・モードとゲーム内チャットが解放されます。第2フェーズでは、およそ100マッチをかけて初代「オーバーウォッチ」の全ヒーローが解放されます。FTUEでは、「オーバーウォッチ」のさまざまなモードやルール、その他のハイレベルな内容をわかりやすく説明し、新しいプレイヤーが「オーバーウォッチ」の世界に馴染めるようお手伝いします。

FTUEの制限のほとんどはグループ内で解除されるため、新規プレイヤーはいつでもフレンドとチームを組んで、ほぼすべてのゲーム・モードをプレイすることができます。ただし、ライバル・プレイは特定の条件をクリアしないと参加できないため、例外となります。

「オーバーウォッチ 2」ではライバル・プレイに参加する条件が変更されます。プレイヤー・レベルを撤廃し、新規プレイヤーは一定のレベルに到達する代わりに、クイック・プレイで50勝することでライバル・プレイがアンロックされるようになりました。これにより、新規プレイヤーは時間をかけてライバル・プレイで要求される高度な技術を身に着けることができます。一方のベテランプレイヤーも、経験の浅いプレイヤーがチームにいるからといって、落胆する必要がなくなります。新規プレイヤーがライバル・プレイをアンロックするまでに、そのプレイヤーのパフォーマンスを解析し、誰もが納得できるマッチメイキングを実現します。

このプロセスは、新規プレイヤーの参加を助けると同時に、チートや荒らし行為を抑制する効果もあります。FTUEは、ゲーム機能をアンロックするのに時間がかかります。特にライバル・プレイのアンロックにはかなりの数のマッチで勝利する必要があります。ボイスチャットやマッチ・チャットはFTUEの後半になるまでアンロックされないため、迷惑行為をはたらくプレイヤーが直ちに不特定多数の相手に害を及ぼすことはできません。チートや荒らし行為をはたらくプレイヤーが新規アカウントを作ったとしても、FTUEを最後までプレイする必要があり、他のゲーム・モードに入る前に疑わしいアカウントを特定するチャンスとなります。

FTUEによって「オーバーウォッチ 2」は、万人に開かれ、親しみやすく、楽しいゲームとなることでしょう。FTUEは10月5日のリリース日以降に作成されたアカウントのみが対象です。それ以前にプレイしていた方、および「ウォッチポイント・パック」をお持ちの方は、FTUEを体験する必要はありません。

推薦

ポジティブな行動は推奨されるべき、という考えのもと「オーバーウォッチ 2」で推薦システムを刷新します。従来の推薦システムは3つのカテゴリーに分かれていましたが、今後は1マッチにつきカテゴリーは1種のみとなり、自分のチームのプレイヤーのみを推薦できます。この変更により、ポジティブな行動をするプレイヤーが高い推薦レベルを維持することが容易になります。

コミュニティにおけるポジティブな言動を多くのプレイヤーが認識し、手本とすることが開発チームの目標です。高い推薦レベルを持つプレイヤーには、私たちから感謝のしるしとしてバトルパス XPをお贈りする予定です!

ライバル・プレイのマッチ開始前画面 

お伝えしたように、「オーバーウォッチ 2」ではプレイヤー・レベルが撤廃され、XPはバトルパスのレベルアップに充てられます!これに伴い、「オーバーウォッチ 2」のすべてのゲーム・モードで、プレイヤー・レベルを表すポートレートの装飾がなくなります。また、ライバル・プレイのマッチ開始時に各プレイヤーのスキル・ティアが表示されることもなくなります。その代わり、プレイヤー名やプレイヤー・アイコンと合わせて表示される「ネームカード」と「称号」という新要素が追加されます。この変更にはいくつかの理由があります。特に従来のライバル・プレイにおいては、マッチが始まってすぐに味方のプレイヤーの実力を判断し、明示的・暗示的なバイアスを抱いてしまうというマイナスの側面がありました。

今回の変更で、潜在的なバイアスを排除することによって、プレイヤー同士が協力し合える環境となることを期待しています。

ピン・システム

「ピン・システム」とは、「オーバーウォッチ 2」で実装される新たな機能で、ボイスチャットを使わずにチームメイトとコミュニケーションを取ることができます。音声コミュニケーションを強化するとともに、チームとの情報共有のための代替手段を提供するのが狙いです。また、ボイスチャットに全く参加したくないというプレイヤーも中にはいるので、そのようなプレイヤーにとって有用なシステムとなることでしょう。

一般チャット

ゲームメニューの「一般チャット」は、迷惑行為が頻繁に発生していることが判明したため、ゲームから削除します。一般チャットはもともと重要な機能ではなかったため、ゲームの中心的な機能を損なうことはありません。その他のゲーム内チャットについては、引き続きご利用いただけます。

「ディフェンス・マトリックス」タスクフォース

社内の取り組み

「オーバーウォッチ」の社内タスクフォースは、Blizzardの各チームから集められた多様な役割で構成されています。エンジニア、デザイナー、プロデューサー、リサーチャー、データサイエンティスト、セキュリティアナリストなど、さまざまな役職が含まれます。タスクフォースに含まれる全グループが、フェアでポジティブなプレイを目標に掲げ、協力して「ディフェンス・マトリックス」に取り組んでいます。

私たちはチーム一丸となって専門的なチート調査を行い、リバースエンジニアリングを用いてチートの仕組みや隠蔽方法を理解し、プレイヤーへの影響を抑える方法を模索しています。また、これらのチームは、迷惑行為をより的確に検知する上で、社会学の観点からもプレイヤーの振る舞いを深く掘り下げる調査もしています。

社外の取り組み

「ディフェンス・マトリックス」タスクフォースは、「オーバーウォッチ」チームやBlizzard Entertainmentよりさらに広い範囲に及んでいます。社外タスクフォースにはActivision Blizzard King全体、およびそれ以外の広範な組織が関与しています。複数のActivision Blizzard King製シリーズから得た、チートや荒らし行為に関する知見は「オーバーウォッチ」に活かされます。さらに、改造、チート、リバースエンジニアリングを防止する技術を開発する外部パートナーやセキュリティベンダーとも協力しています。

私たちはポジティブな行動を推奨し、迷惑行為を撲滅するために、厳しい姿勢で臨んでいます。Blizzardはゲーム業界関係者がベストプラクティス、知識、ツールを共有し、ゲームにおける公正で包括的な空間を作り上げるための世界的連合であるFair Play Allianceの創設メンバーです。私たちは「オーバーウォッチ 2」をはじめとするBlizzard製ゲームにおいて、不正行為の防止と処罰、およびポジティブな行動の奨励に、業界全体の開発者と協力して取り組んでいます。

「オーバーウォッチ 2」でAPMを上げよう!

「オーバーウォッチ 2」への移行によって、通常のアップデートでは不可能だったシステムの大幅改善を行い、チートや荒らし行為への対策を強化することができました。SMSプロテクトは、すべてのプレイヤーのアカウントを保護すると同時に、BANされたプレイヤーが新規にアカウントを作成して再び害をおよぼすことを抑止します。チャットもアップグレードされ、暴言の検知精度が上がり、音声の文字起こしによってボイスチャットでの迷惑行為にも対処できるようになりました。チートプロトコルの拡大により、「オーバーウォッチ 2」ではチート行為の検知・対策・防止がより強化されました。これらの変更はすべて10月5日のゲームリリースと同時に実装されます。

「ディフェンス・マトリックス」は、「オーバーウォッチ 2」におけるチート・荒らし行為対策の大きなマイルストーンです。ゲームの成長とともに、「オーバーウォッチ」の長期的な健全性を維持するためにさらなる努力も必要となります。「オーバーウォッチ 2」を万人にとって楽しく、公平で、安全な空間にするため、今後も「ディフェンス・マトリックス」の改善に努めていきます

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この記事を書いた人

キャリア系メディアでライターとして勤務後、2017年よりフリーランス。学生向け新卒メディアの取材を経験したのち、現在は趣味のゲームを題材にブログを管理・運営しています。

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