【Apex legends】本作の誕生から2年を振り返る。プロトタイプのビジュアルと開発秘話が公式より公開【エーペックスレジェンズ】

Respawn Entertainmentは2/5、公式ブログにて『エーペックスレジェンズの2年間を振り返る』というタイトルでエントリーを公開しました。本投稿にはゲームディレクターを務めているChad Grenier氏より、間もなく開催される2周年コレクションイベントに先駆けてプロトタイプのビジュアルやリリース以前の開発秘話が語られているほか、将来的なロードマップとして「Nintendo Switch」の参入と新たなゲームモードの実装についても触れられています。

※以下、公式サイトより引用

皆様こんにちは。「エーペックスレジェンズ」でゲームディレクターを務めているChad Grenierです。 私は2010年のスタジオ設立からRespawnに所属していて、ありがたいことにたくさんの名作に携わることができました。「エーペックスレジェンズ」でも、ゲームが産声を上げたときから参加しています。 「エーペックスレジェンズ」が間もなく2周年を迎えるにあたり、Respawnではこれまでの歩みを振り返り、思い出を語り合ってきました。そうした物語を、皆様にも簡単にご紹介しましょう。

誕生秘話と配信開始

「タイタンフォール 2」の発売以降、私たちは発売後のコンテンツ展開に力を注ぎながら、新しいゲーム作りのアイデアをおのずと模索しはじめていました。この段階ではまだ、チームに「エーペックスレジェンズ」の構想は芽生えていません。新しいアイデアの議論や試作、キャンペーンのプロトタイプのプレイテスト、新しいゲームモードのプレイを進めるうちに、2人のデザイナーが小さなプロトタイプの制作を始めました。これが、新作の在り方を変えることになります。「エーペックスレジェンズ」がサービスを開始するおよそ2年前、私たちはあるゲームモードのプレイテストを行いました。それは「サバイバル」といって、パイロットとタイタンがバトルロイヤル形式で、生き残りをかけて最後まで戦い続けるというものでした。

当初の「サバイバル」モードでは24人のパイロットがドロップシップに搭乗して、同じドロップポッドに乗り込んだ3人が1つのチームを編成していました。

部隊は当初、ドロップポッドから戦場に突入していました。

プロトタイプ版のマップは「超巨大マップ」と呼ばれていて、スポットがまばらに設置されていて、タイタンが自由に巡回できるという点で、キングスキャニオンとは大きな違いがありました。さらに1ヶ月が過ぎた頃、新しいゲームモードの制作チームは20人を越える大所帯となっていました。2017年10月にはジブラルタルとブラッドハウンド、レイスの原型となるキャラクターがデビュー。同年11月には初めて50人プレイを成功させるとともに、後にキングスキャニオンと呼ばれるマップでのプレイテストが始まりました。

キングスキャニオンの特徴が読み取れる、最初期の画像。街は名前が付けられるまで、単にゾーンと呼ばれていました。時が経つにつれてゲームプレイには改善が加えられてゆき、ゲームのペース抑制とプレイバランス向上を目的として、タイタンとウォールランが撤廃されました。もちろん、タイタンをゲームに残すために何ヶ月もの試行錯誤を重ねましたが、本作は「タイタンフォール」とは根本的に異なる作品だということをチームが受け入れたことで、開発は新たなフェーズに突入しました。社内では毎週プレイテストを行ないましたが、深夜まで長引くこともよくありました。スタッフが、プレイをやめられなかったのです!
キッチンの黒板にはランキングが書かれて、最も多くの勝利を挙げたスタッフが記録されていました。私たちは取り憑かれるようにして、制作中のゲームモードをプレイしていました。

スタジオの黒板。 金曜夜開催のプレイテストの勝利数が記録されています。この段階で、ゲームは名前を「サバイバル」から「Apexプレデター」に変え、キングスキャニオンも現在の姿に近づいて行きました。仲間のリスポーンやレジェンドのアビリティといった、新しいシステムの試作も、この頃に始まっています。最高水準のゲーム内コミュニケーションシステムを構築するために、チームの全員にはプレイヤー名を表示せず、ヘッドセットも使わずにプレイテストを行なうように指示していました。

次第に、作品が面白いものに仕上がりそうなことが明らかになったため、他に進行していたもう1つのプロジェクトは中止になりました。そこからは前だけを見て、後に「エーペックスレジェンズ」と呼ばれる作品の制作に、スタジオの総力を結集しました。もちろん、優れたゲームを用意できたと思っていても、それが皆様に愛されるとは限りません。そのため、サービスの開始時にはどのような反響があるのかと、全員が大きな不安を抱えていました。 いかにも「タイタンフォール」らしい新作を期待しているファンが多いことは分かっていたので、ゲームの存在を知った方がすぐにプレイできるように、配信開始直前まではあえて存在を伏せておくという戦略を選びました。遊んでいただきさえすれば、きっと好きになってもらえるだろうと思ったのです。配信開始の数日前にはロサンゼルスで非公開イベントを開催して、人気配信者とコンテンツ制作者、メディアの関係者にゲームを紹介しました。プレゼンテーションの終了後には、招待客に2時間のプレイ時間を設けていたのですが…。8時間が過ぎても、彼らはプレイの手を止めようとしませんでした。この時、チームは興奮に圧倒されはじめていました。

2019年2月4日。私たちは世界へ向けて、サプライズ配信を決行しました。ある程度のプレイヤーにゲームをダウンロードして気に入ってほしいとは思っていましたが、基本プレイ無料作品の制作では、パッケージ版の大作の発売とは違って、長期的な運営と内容拡充が重要であることも分かっていました。当時、コンテンツ展開の担当エンジニア(サーバーを大規模に稼働させる役目を担っています)の1人が見通しを立てて、「配信後すぐに100万人が集まるとは思わないように。数ヶ月後でも難しいかもしれない」と語っていたのを覚えています。この日はチームの全員がキッチンに集まり、プロジェクターのスクリーンで配信開始までの秒数がカウントダウンされていく様子を見守っていました。シャンパンでの乾杯の音頭が上がり、歓声が落ち着いた頃には、すでに何万人ものプレイヤーがゲームを遊びはじめていました。

8時間後にはプレイヤー数が100万人に到達し、私たちはまだ仕事をしていました。もちろん、例のエンジニアにはみんなで苦情を言いましたね。3日後、私たちは同じキッチンに集まって、プレイヤー数1000万人到達に向けたカウントダウンをしていました。さらに、配信開始24日後には5000万人を達成しました。

さらに明るい未来へ向けて

配信開始以来、私たちは8つのシーズンを開幕させています。オリジナルの動画コンテンツをセットにした世界観を彩るイベントと、大規模なゲーム内イベントをそれぞれ10回以上も開催してきました。他にも2種類の新作マップと各種の乗り物、8人の新レジェンドを追加するとともに、数え切れないほどの期間限定モードを開催し、さまざまな改良を加えてきました。「エーペックスレジェンズ」はこれからも拡大を続けます。来月には、「Nintendo Switch」版の配信が予定されています。モバイル版の開発作業も、順調に進んでいるところです。そして今年中には、バトルロイヤルという枠組みを越えた、新しいプレイ方法を投入する予定です。

私たちはライブサービスゲームの運営を成功に導く方法と、プレイヤーの気持ちの重要性、マルチプレイ作品でもストーリー展開でユーザーの心は十分に捉えられるということを学びました。Respawnにとって、「エーペックスレジェンズ」はゲームを越えた存在です。この作品は人々を結びつけ、プレイヤーを結束させて、楽しませて、1日30分だけでも現実から心を解き放ってくれます。アーティスト、脚本家、配信者、コンテンツ制作者が自分を表現できる場所なのです。さらに、人々の多様性が重要であるという姿勢も示しています。世界中のプレイヤーからは、コロナ禍でどれほど友人や家族との繋がりを保っていられたか、そしてシグナルなどの革新的な要素がマルチプレイをどれほど親しみやすいものにしていたかについて、たくさんの声をいただいています。「エーペックス」で命が救われたという、心のこもったエピソードをお伺いしたこともあります。あなたたちプレイヤーの存在はこれまでも、そしてこれからも、制作者の励みとなります。 ゲームをプレイしてくださったレジェンドの皆様に、心からお礼を申し上げます。この2年間に皆様からいただいた応援とご愛顧は、チームが「エーペックス」の可能性を存分に引き出し続けるための、驚くほど強力な原動力となってきました。「シーズン8:メイヘム」の開幕と、その後の配信コンテンツをぜひお楽しみください。– Chad

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この記事を書いた人

キャリア系メディアでライターとして勤務後、2017年よりフリーランス。学生向け新卒メディアの取材を経験したのち、現在は趣味のゲームを題材にブログを管理・運営しています。

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