Googleは3/15、ゲーム開発者向けのオンラインイベント「Google for Games Developer Summit-March 15,2022」の配信を行い、その中で2019年に提供を開始した同社のゲームストリーミングサービス「Stadia」の最新情報を公開しました。
「Stadia」はサーバー上でゲームの動作に必要な処理を行い、インターネット回線を使ってプレイヤーにゲーム体験を提供するサービス。ネットに繋がる環境があればゲームにアクセスできるため、スマホ・タブレット・PCなど何処からでも気軽に遊べるのが大きな魅力だ。また、ゲームの処理を行うサーバーは高性能なグラボを搭載しており、最先端のグラフィックスで作られたAAAクラスのタイトルも楽しむことができる。前述の特徴の通り、ゲーム処理はサーバー側で行うため、手元にプログラムが無いという特性上、FPSなどの対戦ゲームに多いチートについても悩ませられることがなくなるなど非常にメリットが多い(クロスプレイに対応していない場合に限る)。
サービスの内容や多くのメリットから発表当時は大いに盛り上がった「Stadia」だが、Microsoft・SIE・Nvidia・Amazonについても同様のサービスやサブスクリプションをベースとした新たな取り組みを発表した影響もあり、ローンチ以降は当初のような大きな話題になることは少なかった。この状況を象徴するように2021年に同プロジェクトの副社長として参加していた、アサシンクリード/ウォッチドッグスシリーズで知られる Jade Raymond氏が退社したほか、同社の自社スタジオについても既に閉鎖されている。
約3年近く話題に乏しかった「Stadia」について、昨日行われたイベント「Google for Games Developer Summit-March 15,2022」で今後の展開が明かされた。紹介されたのは「Immersive Stream for Games」というサービスで、「Stadia」に使われている技術を用いて、ゲーム開発を行っている企業がユーザーにトライアル版を提供したり、自社のサブスク型のサービスを提供できるとしている。このサービスに関するテストは既に行われており、昨年AT&Tが同社のサービス利用者に向けてBatman:Arkam Knightを提供していた。
企業向けのサービスとして、この他にトライアル版をYouTube・Googleの検索フォーム・TwitterなどのSNS投稿経由でも提供できるほか、Unreal EngineやUnityといったエンジンで開発されたゲームについても、同社のツールを使って「Stadia」に移植できるとしている。今回発表された技術に関するサービス提携元については既に海外のメディアを通じていくつか名前が挙げられているところもあり、今後B2B向けのサービスとしての動きがますます加速しそうだ。
日本ではサービス展開されていないこともあり馴染みの薄い「Stadia」だが、今後同じ技術が使われたサービスに触れる日も近いのかもしれない。