Meta、超ワイド視野角180°を実現した次世代VR/MRプロトタイプを公開

Meta(旧Facebook)は、研究開発部門Reality LabsのDisplay Systems Research (DSR)チームが開発中のプロトタイプを新たに公開した。論文内では次世代VR/MRヘッドセットのプロトタイプのビジュアルも併せて明らかになっている。今回発表されたモデルは、これまでにない最大180度の超広視野角と、ゴーグル型のスリムなデザインを兼ね備え、従来のQuestシリーズを大幅に超える没入体験を可能にする。
Metaが公開したプロトタイプは、「Mirror Lake」など過去のコンセプト機の延長線上に位置付けられるもので、光学設計に革新をもたらす「高曲率反射偏光子を活用したカスタム光学設計」を採用。これにより、従来の光学機構よりもコンパクトで、しかも視野角は従来のQuest 3(約110度)の約1.6倍にあたる180度を実現しているとのこと。
さらに、Mixed Reality(複合現実)対応モデルでは、80メガピクセル・60fps対応のパストスルーカメラを搭載。これにより、現実世界とのインタラクションが格段にスムーズになり、MR体験の精度も飛躍的に向上したと話している。

Metaはこの新型プロトタイプを、8月にバンクーバーで開催予定のコンピューターグラフィックス国際会議「SIGGRAPH 2025」にて展示する予定。業界関係者の間では、これが将来的に発売される「Meta Quest 4」への布石ではないかとの見方も広がっている。
これらの開発は、没入型コンテンツの限界を押し広げるだけでなく、視野の狭さというこれまでのVRの弱点を克服する大きな一歩といえる。一方で、視野角の拡大により処理負荷も増すため、今後はハードウェア全体の最適化が求められるのは間違いないだろう。
Metaは引き続き、軽量化と高性能化を両立させた製品の研究開発を進めており、正式な製品発表の時期にも注目が集まっている。そのほか、テック系メディアの「UploadVR」は「SIGGRAPH 2025」にて実際の使用感を改めて掲載するとしており、同プロトタイプのさらなる詳細について知りたい方はこちらも要注目だ。