Valve、新たなハードウェアブランド「Steam Frame」を商標出願 — 次世代ゲーム体験の布石か

Valveが「Steam Frame(スチーム・フレーム)」という名称を、新たにコンソールおよび関連周辺機器のブランドとして米国に商標登録出願したことが明らかになった。これにより、Valveが家庭向けゲーム機やVRデバイスなどの新ハードウェア展開を進めている可能性が高いと、「PC Gamer」を始めとする複数の海外メディアが報じている。
Valveは9月2日付で、「Steam Frame™」に関する2件の商標登録を米国特許商標庁(USPTO)へ出願している。主な詳細としては、「コンピュータゲーム機器およびゲーム用コントローラなどのアクセサリー」に関する内容、そして「コンピュータハードウェア、ストリーミング用ソフトウェアおよび機器」など、より包括的な分野を対象としている。
「Steam Frame™」が具体的にどんな製品となるのか明らかになっていないが、同社に関する過去のリークも含め、以下の3つの展開を予想できるとのこと。1つ目は、リビングルーム向けSteamOS搭載コンソールだ。かつて発表された「Steam Machines」の構想を、最新のSteamOSとともに再挑戦する可能性が指摘されている。Geekbenchに登場した「Fremont」と呼ばれる試作ハードもあり、このデバイスとの関連が予想されているようだ。
次に予想されるのが、次世代VRヘッドセット(Deckard)としての展開だ。Valveが開発中とされるVRヘッドセット「Deckard」の正式名称として「Steam Frame」が用いられる可能性も出ているほか、ValveはSteamVRの「オーバーレイ(Overlays)」を「フレーム(Frames)」に名称変更することで、VR体験との整合性を図っていると指摘しているリーカーもいる。PCゲームのプラットフォームとして圧倒的なシェアを誇る同社だが、VRヘッドセットについても同様に支持が高く、VRチャットを始めとする多くのVRゲーマーが同社のハイエンド端末を使用している。
また、ValveとVRというと同社が開発したVRゲーム「Half-Life: Alyx」の存在も見逃せない。名作「Half-Life」シリーズの最新作として登場した同作だが、VRゲームとしての完成度も非常に高く、今もなおVRゲームで本作に匹敵するタイトルは非常に少ない。現在Valveは同シリーズの最新作を開発しており、そのタイトルと「Steam Frame™」を用いた次世代VRヘッドセットを同時にリリースすることで、ローンチを大々的に盛り上げる可能性もある。
そして、最後に考えられるのが「Steam Frame™」がゲームハード全体を網羅するエコシステムブランドの総称である可能性だ。これまで紹介した2つの予想を単独展開するだけでなく、「Steam Frame™」というブランドでVR、リビングルーム用コンソール、次世代Steam Deckなどをまとめて展開する戦略も考えられる。すでにSteam OSを搭載した他社製品も登場しており、Valveがハードウェア全体で存在感を高めようと次なるブランディングに向けて動いているのかもしれない。PCゲーム界の巨人が次はどんな未来を見せてくれるのか、今後も目を離すことができない。